本日、NHKで「病の起源、うつ病」というNHKスペシャルが放送されていました。
なかなか興味深かった内容でした。
まあ、進化云々というNHK独自のくだりはさておいて・・・
うつ病の原因は、孤独、記憶(恐れやストレスが記憶に刻まれる)等々いろいろとあることは
今までも言われてきているとおりです。
では、具体的に脳のどの器官に影響を与えるのでしょうか?
それは、扁桃体という豆粒ほどの器官です。
この扁桃体が、恐れや不安ストレス等で刺激を受け続けると
うつ病発症の引き金を引いてしまうというのです。
以上が簡単なうつ病のメカニズムといっていいでしょう。
しかし、これが金稼ぎと関係ある?ということのようです。
どういうことでしょうか?興味ありますよね??
ある社会実験が行われました。
それは、とあるアフリカの原始的な生活を続けている部族に対する調査で、
調査項目は以下のようなものです。
・うつ病が発生しているかどうか?
・なぜうつ病にならないのか?
うつ病になっていないかどうかについては、ヒアリング調査で行います。
厚労省でも出しているようなチェックリストで確認する方法です。
この結果、「夜はグッスリ眠れるし、眠れなかったことなんて人生で一度もない。」
「自分は、価値ある人間だと思っている。私は家族にとってなくてならない存在だ」
ということで、睡眠は十分とれているし、高い自尊心を保っているということで、
精神状態が極めて健康でした。
それで、なぜ精神的健康を保っているのかを確かめました。
調査・分析の結果では、「平等性」が大きく寄与しているとのことでした。
そこでさらに平等性を軸にして、以下のケースでどんだけストレスが溜まるかを
実験したそうです。
・自分が損をする。
・平等
・自分が得をする。
以上の中で、一番ストレスが少なかったのは、言うまでもなく「平等」にした
結果です。
次に自分が損をするが、高いストレス数値ではありますが、二番目です。
一番高かったのは、なんと「自分が得をする」ということです。
これは、意外に思う方が多いのではないでしょうか?
皆、得をするため、つまり言い換えれば、金を稼ぐために生きているのです。
で、これ自体が実はかなりな有害ストレス要因となるということです。
「与えることが幸福」というどこかで聞いた言葉が刺さります(-_-;)
結論としてこんなことが言えるでしょう。
「自分だけが得をするのでは、幸せになれない。分け与えることにより
本当の幸福が得られる」
こんな結論に至らざるを得ません。
番組でも最後に現代社会が生み出した病ということを伝えてました。
人間にとって、稼ぐのは生活の手段としては不可欠。
だけど、あまりに複雑怪奇な世の中になって、ギスギス状態。
誰がうつ病になってもおかしくない訳ですね・・・
さらに不況からイマイチ脱しない、将来予想が依然として不安な世の中・・・
私を含め、誰もが、「まず自分」と考えてしまう、自己中心的で他者に厳しい世の中。
そんな中にあって、少しは他の人に与える精神を示せれば、
精神状態はすこしは改善されるかもしれません。
ちなみに横道にそれますが、うつ病は実は、職業とも関係があるということも
番組では伝えていました。
それは、医師弁護士等自分の裁量で仕事ができるような
専門職だそうです。
(しかし昨今、医師のメンタル不調が深刻であることが様々な調査で明らかになっていますので、
一概には言えないのは確かです。勤務医が圧倒的に多いようですが・・・)
やはり、うつ病が多いのは、上司の命令に従わざるを得ない
組織下部の社員の方々となります。
(上記のとおり、医者でいうと勤務医が圧倒的にメンタル不調が多いです)
私の相談でもうつ病に関することが少なくないのもこのことからわかります。
そろそろ企業としても、「如何にうつ病社員を法的に排除するか」ではなく、
共存することを考えるように企業としても成長していただきたいと
生意気ながら考えたりします。
人間社会、よくも悪くも平等なんだということを
念頭に置くなら、少しはみな楽になると思います。
それでは、失礼しました。
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